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2019.04.09 2019年3月31日 第3回少年野球肘検診を行いました

当別町役場並びに本学地域連携推進センターの方々の協力をいただき、当院リハビリテーション室主催の第3回少年野球肘検診を3月31日に行いました。今回検診を行ったのは当別地区2つの野球チーム計27名の選手です。

検診内容は身長・体重・四肢筋肉量の計測、超音波エコーを用いた肘関節骨軟骨障害の検診と膝関節のオスグッド氏病検診、四肢体幹の柔軟性、筋力、パフォーマンスチェック、高速度カメラを用いた投球フォームチェックです。検診後には理学療法士による野球肘についての講演と正しいストレッチの方法を示しながら、選手と保護者や指導者の皆様に実際にストレッチを行っていただき、理解を深めていただきました。

検診結果
検診参加者数 27名 (8歳から12歳の選手)
肘関節エコー検診 
 内側障害・・・上腕骨内側上顆の分離・分節が2名、突出が7名いました。
 外側障害・・・上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎が1名いました。
  但し、治療が必要な状態の方はいませんでした。

今回の検診の結果、明らかな特徴が見つかりました。

投球フォームの特徴(骨盤の前傾)

今回の検診では、打球に備える守備やスポーツ動作の基本姿勢となる背中を伸ばしながら骨盤の前傾ができていない選手が多く見られました。

左の図のように背中が丸くならずに骨盤を前に傾けることができると体が安定し力も出しやすくなり、良いパフォーマンスにつながります。

今回の検診の結果、肘関節の内側に障害の痕跡を認めた子供は9名いました。投球フォームの解析では肘下がりが15名に認められましたが、骨盤の前傾が不十分な子がほとんどでした。下半身や体幹の力はボールを投げる上では重要ですので、投球フォームの修正だけではなくスクワットなどの下半身のエクササイズを取り入れていくと野球肘になりにくいと思います。
当院の肘検診は、ご参加いただいた皆様からの評価をいただいております。ご要望がございましたら今後も継続し、あいの里・当別地区の野球選手の健康・障害予防のお役に立ちたいと思います。
改めまして、検診に参加されご協力いただいた選手・指導者・保護者の皆さんに心よりお礼申し上げます。

(理学療法士 山根将弘、片岡義明、河治勇人; 医師 青木光広 他)

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