月間アーカイブ
野球肘検診は超音波エコーを用いて肘関節の外側障害(離断性骨軟骨炎)を早期に発見し、重篤な障害への進行を未然に防ぐことを主な目的として行っています。
7回目の今回は当別町とあいの里地区、江別市の小学生野球6チームと札幌市の中学生シニアチームと中学生軟式野球部を加えた計8チーム計125名の選手に検診を行いました。インフルエンザも流行しているため、十分な感染対策を行った上での実施となりました。
検診内容は、身長・体重・筋肉量の計測、超音波エコーを用いた肘関節骨軟骨障害の検診、理学療法士による肘関節の変形・可動性と、四肢・体幹の柔軟性チェック、パフォーマンスチェック、ストレッチ指導、投球動作チェックでした。投球動作チェックでは投球時に肘にかかるストレスをPulse Throw(パルススロー)を用いて数値化して計測しました。
検診参加者数:125名 (7歳から14歳の選手)
内側障害・・・上腕骨内側上顆の分離・分節が6名、突出が15名、内側靭帯の充血が2名指摘されました
外側障害・・・上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎が5名指摘されました(1名は受診済)
肘関節エコーで障害が疑われた選手の検診結果は、検診会場で直接本人や監督、指導者に説明し、医療施設への受診をアドバイスしました。
柔軟性では股関節の付け根の硬さ(34名:27.6%)太ももの前(24名:19.5%)の硬さが目立ちました。下半身の柔軟性の低下は、野球肘や投球障害肩などの投球障害や膝や腰のケガに繋がります。成長期では骨の成長が筋の成長を上回るため、相対的に筋の長さに余裕が少なくなり、身体の柔軟性が低下しますので日々のストレッチを行うことが野球肘やケガの予防に繋がります。昨年の検診と比べて、柔軟性の検査結果は改善しており、各チームにおいてセルフケアの大切さが浸透していると、スタッフ一同感じております。個々の選手の健診結果は、後日チーム指導者や保護者宛に郵送いたしました。
今回もスポーツ検診に興味のある北海道医療大学理学療法学科の1-4年生(計10名)が検診ボランティアとして参加しました。超音波エコー検診や理学検診の手伝いや少年アスリートとの触れ合いを通じて、スポーツ現場での理学療法士の活動について様々な経験ができたことは学部教育の一環としての野球肘検診へ参加の意義があったと考えています。
改めまして、検診日前からの感染対策にご協力くださり、検診に参加された選手・指導者・保護者の皆様に心よりお礼申し上げます。今後も、地域住民の方々のスポーツの振興と健康・障害予防のお役に立ちたいと思います。
リハビリテーション室 理学療法士: 山根将弘、片岡義明、新田麻美
リハビリテーション室長 整形外科医師: 青木光広
リハビリテーション科学部理学療法学科教員: 河治勇人
月間アーカイブ