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野球肘検診は、超音波エコーを用いて肘関節の外側障害(離断性骨軟骨炎)を早期に発見し、重篤な障害への進行を未然に防ぐことを主な目的として行っています。平成30年より始まり、5回目の今回(令和3年12月12日)は、当別、あいの里地区の小学生野球チームと札幌市の中学生シニアチームの計78名の選手に検診を行いました。
昨年同様、新型コロナウイルス感染対策のため、参加する野球選手には2週間の体温・体調記録、当日の検温と発熱・咳嗽などの症状の問診、待機中の距離確保、検診会場の入場人数制限、室内の換気と二酸化炭素濃度チェック(600-700PPMに保持)、マスクとフェースガードの装着、手指消毒、アルコール清拭等、新型コロナウイルス感染対策を徹底した上での実施となりました。
検診内容は、身長・体重・筋肉量の計測、超音波エコーを用いた肘関節骨軟骨障害の検診、理学療法士による肘関節の変形・可動性と、四肢・体幹の柔軟性チェック、ストレッチ指導でした。
検診参加者数 78名 (6歳から15歳の選手、男性73名、女性5名)
肘関節エコー検診
内側障害・・・上腕骨内側上顆の分離・分節が2名、突出が10名指摘されました。
外側障害・・・上腕骨小頭の離断性骨軟骨炎が1名指摘されました。
小学生と中学生ともに足首や股関節、背骨の硬さが目立ちました。下半身と背骨の柔軟性の低下は、野球肘や投球障害肩などの投球障害や膝や腰のケガに繋がります。成長期では骨の成長が筋の成長を上回るため、相対的に筋の長さに余裕が少なくなり、身体の柔軟性が低下しますので日々のストレッチを行うことが野球肘やケガの予防に繋がります。
障害が疑われた選手の検診結果は、検診会場で直接本人や監督、両親に説明し、医療施設への受診をアドバイスいたしました。また、個々の選手の健診結果は、身体特性も含めて、後日チーム指導者や保護者宛に郵送いたしました。検診はスムーズに行われ、野球選手や指導者との信頼関係がさらに強まったと、スタッフ一同実感しています。
また、スポーツ検診に関心のある北海道医療大学の学部生(4学年5名、1学年6名)が検診に参加し、実習では得られない少年アスリートとの触れ合いを通じて、超音波検診や身体計測の重要性を理解したことは、学部教育の一環としての野球肘検診参加の意義があったと考えています。
改めまして、検診日前からの感染対策にご協力くださり、検診に参加された選手・指導者・保護者の皆様に心よりお礼申し上げます。コロナ禍においても、地域住民の方々のスポーツの振興と健康・障害予防のお役に立ちたいと思います。
リハビリテーション室 理学療法士:山根将弘、片岡義明、新田麻美
リハビリテーション室長 整形外科医師:青木光広
リハビリテーション科学部理学療法学科教員: 河治勇人
医療技術学部臨床検査学科教員: 沖野久美子
北海道医療大学学部生:
岸裕之、今井淳貴、清水目大輝、小南柊人、小林斗誠、青木香恋、
小向莉流、大西輝星、齋藤心、土本翔大、前田愛都
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