「口腔内科」?あまり聞き慣れない診療科だと思います。
お口の中の異常全般に対して、外科処置を伴わない診断や治療を行う診療科です。日本国内ではあまり聞き慣れない名前ですが、欧米では一般的な診療科です。国内ではこれらの病気はこれまで、主に口腔外科や耳鼻科が担当してきました。患者数の急激な増加に伴って独立した診療科とする必要が出てきました。具体的には主に次のような症状をもっている方を対象としています。口が渇く。口の中がネバネバする。舌がピリピリする。口の中全体がヒリヒリする。味がおかしい。口の中に白いものができている。口の中に赤くなっているところがある。口臭が気になる、などです。これらの症状をもった方は、口腔乾燥症(ドライマウス)や舌痛症、白板症、扁平苔癬であることがあります。
日本語では口腔乾燥症と呼ばれているもので何らかの原因で唾液の分泌量が低下して口の中が乾くというものです。(ドライマウス研究会)主な症状としては、「口が乾く、のどが乾く、口の中がネバネバする」、「パンやビスケットが食べられない」、「味がおかしい」、「唇が乾く」「目が乾く」などがあります。
原因には、唾液腺の病気であるシェーグレン症候群を初めとした膠原病類似疾患や膠原病、糖尿病などの全身疾患による事もありますが、原因のよく分からないこともあります。
舌が痛いと感じたら、それは舌痛症です。舌痛症の中には、舌に明らかな病気(金属アレルギー反応、潰瘍、感染、傷など)のある事もありますが、原因のよく分からないこともあります。
ドライマウスや舌痛症で明らかな原因が見当たらない時は、歯科心身症の一症状であることもあります
名称に「相談」という言葉が入っていますように、当科では患者さんのお話しをじっくり伺うことから始めます。これは、口腔内科での診断には詳細な問診が必要であるからです。歯科の通常のユニットとは違い、向かいあった形式でじっくりお話しを伺いますので、初診では、問診、説明、簡単な検査で1時間程度かかります。時間をかけますが、他の診療科と同様に、一部のもの(口臭検査など)以外は保険診療内で対応させて頂きます。また、「歯科心身症」の可能性がある場合には、当病院内の「心療内科・医療心理室」との連携による治療を行うことも当科の大きな特徴です。本病院に隣接して本学の「心理科学部」があり、臨床心理の専門家がたくさんおります。主にストレスが原因で起こる「歯科心身症」に対して適切なアドバイスや、心療内科医により薬が処方されることもあります。
当科では担当医が少ないことと、初診時には時間をかけることから、来院の際は電話での予約をお願いいたします。
問い合わせ TEL. 011-778-7558(歯科予約)
【参考】
一般社団法人日本歯科心身医学会
歯科医師
公認心理師安彦 善裕(あびこ よしひろ)
歯科医師
公認心理師宇津宮雅史(うつのみや まさふみ)