当院は歯科麻酔科の標榜をしており、歯科・口腔外科の治療・手術で必要な全身麻酔、精神鎮静法、モニター監視、そしてペインクリニックを行っています。歯科医師が2名、常勤で勤務しており、北海道医療大学歯科麻酔科学分野から歯科麻酔科医が交代で勤務しています。いずれの診療におきましても、歯科医師が手術部門の看護師とともに術前から術後まで責任をもって診療にあたっています。
診療は主に口腔外科手術と歯科処置に対し行っています。麻酔方法は通常の外科手術に用いられるものと変わりはありません。私どもは、患者さんが予定された手術・処置を適切に受けていただけるよう、細心の注意の下、安全・確実な麻酔管理を常に心がけています。患者さんにはまず、歯科麻酔外来で術前診察を受けていただき、全身麻酔についての十分な説明を行っています。当外来の特徴の一つとして、通常の歯科受診が難しい小さなお子様や障害などをお持ちの患者さんに、全身麻酔での歯科治療を歯科麻酔外来の治療室で提供していることがあります。患者さんの全身状態や関係者のご希望にもよりますが、日帰りでお帰りいただくことや、一泊入院での対応も可能です。治療室には診療供覧窓がありますので、付き添いの方が麻酔診療を見学することが可能です。
精神鎮静法は、歯科処置の際の不安感や緊張感を、笑気ガスの吸入や鎮静剤の点滴を用いて和らげる方法です。歯科処置は局所麻酔を併用して行われ、全身麻酔と異なり意識は保たれます。本法は主に、歯科治療に恐怖を感じる方、口の中の処理で嘔吐が起きやすい方、口腔外科の小手術を受けられる方、そして歯科インプラント治療を受ける患者さんに用いられます。
当科では高度の安全性を確保するために、全身麻酔に準じた診療環境で精神鎮静法を実施しています。歯科治療が終了した後は、しばらくお休みになってからご自宅にお帰りいただくことが可能です。
狭心症や心筋梗塞などをお持ちの患者さんが安全に歯科治療を受けていただくために、歯科麻酔科医が処置中の患者さんの全身状態を絶え間なく観察し、適切な処置を行います。歯科処置中は、心電図、経皮的酸素飽和度、血圧を連続的にモニターするため、これをモニター監視といいます。モニター監視では笑気ガスや鎮静剤は用いませんが、患者さんの全身状態に応じて点滴や酸素投与を行う場合があります。当院では内科医師の全面的なバックアップを得ており、万が一の急変時に適切に対応できる体制をとっています。
顔面や口腔の痛みでお悩みの患者さんに対し、神経ブロックや薬物療法等の日本ペインクリニック学会の治療指針に準拠した治療を行っています。顔面の帯状疱疹、帯状疱疹後神経痛、三叉神経痛、舌痛症や歯科処置後の顔面のしびれ、麻痺症状に対して積極的に治療を行っています。
神経ブロックとは、神経の近くに針を進めて局所麻酔薬などを投与する手技です。当外来では神経ブロックの安全性を高めるために、超音波画像診断装置(エコー)を積極的に活用しています。
開業医の先生からのご相談についても承っています。また、必要に応じて入院治療にも対応しています。痛みの治療、特に慢性の痛みの治療は当外来だけでできるものではありません。痛みに悩む患者さんの苦痛を和らげるために、院内の診療科、あるいは、院外の専門施設との連携を図っています。
診療科長
(歯科医師)照光 真(てるみつ まこと)
常勤歯科医師吉本 裕代(よしもと ひろよ)
常勤歯科医師藤田 尚正(ふじた なおまさ)
歯科医師大桶 華子(おおけ はなこ)